2013年10月13日

池井戸潤「七つの会議」

これで池井戸作品に一区切りつけようと手に取りました。

NHKでドラマ化もされた今作。

大手電機メーカー下請け中堅企業での内部告発を描いたサスペンス。

営業部のエースで辣腕の若い課長。

そんな彼が突然移動に。

万年係長で態度も横柄な年配の部下がパワーハランスメントで告発したという。

しかしそこには大きな闇が。


内部告発に至るまでの過程とその後を、

幾つかの違う角度から描いていく手法は、

「なるほどこっちから見たらこういう事情ね」と、

立体的に見えて分かり易いし厚みが出る。


内部告発のある側面には、

男のコンプレックスが大きく影を落とし、

それを払拭しようと、

上昇志向の塊となった人間の弱さが大きく横たわり、

何を動機に仕事をするべきかを考えさせられることに。


仕事をするなら負けたくない。

だから課せられたノルマは絶対に達成する。

立派な気持ちです。


しかし・・・

数字に追われることとなり、

それをクリアしないことには出世競争に敗れてしまうという強迫観念は、

ともすると人間をいつもと違うモノにしてしまうのかもしれない。


本質を見失い越えてはいけない一線を越えてしまうと

結局全てが終わってしまう。


そうと知りながらも自らを抑えきれず、

あらぬ行動になんてことにも。


仕事はそもそも誰かを助けたり幸せにするためにある。

その概念を改めて胆に銘じることにもなるこの作品。


余裕を失い方向性を見失いそうなとき、

然るべき方向へと導いてくれる一冊かもしれません。




池井戸潤「七つの会議」

日本経済新聞出版社

2012年11月 発行





the seven conferences.JPG





posted by tetsu at 23:00| Comment(0) |
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