2013年10月10日

池井戸潤「ロスジェネの逆襲」

半沢直樹シリーズ3冊目となるこの作品。

ドラマの最終話を観てその後が気になる方にはたまらない一冊。

子会社の東京セントラル証券へ出向となった半沢は、

IT企業買収をめぐる生き馬の目を抜くような戦いに挑む。

次の一手が読めない展開がとても面白い。

読み始めたら止まらない人情企業小説。


IT企業、証券会社、銀行の人間たちが、

体にギトギトした不純物を抱え込んで、

利益を我がモノにしようとするいやらしさ。

ホント腹が立つ(苦笑)


池井戸さんのうまさは、

経済のメカニズムを分かり易く描くのもそうですが、

人物描写もとても優れていると思います。


その癖のあるキャラクターたちが、

良くも悪くもやってくれるもんだから感情が揺さぶられる。

それがたまらない。


ロストジェネレーションとは、

直訳すれば「失われた世代」

今作としてはバブル崩壊後10年間の就職氷河期世代を指し、

自己研鑽を積み準備をしてきたにも関わらず

容易には思うような結果がでない。


対照的に好景気に沸く売り手市場の就職戦線で、

大した努力もせずに一流の就職先を手に入れられた、、、

などと評されることもあるバブル世代。


それぞれの世代の背景と、

その中を生きた結果出来上がった思考性。


互いに意識するところがあり、

相容れないことも往々にしてある関係を、

ストーリーでは上司と部下に上手く落とし込んでいます。


二人が仕事を通してお互いを理解していく様子は、

男気にも触れてとても熱い気持ちに。


その根本にあるのは、

半沢直樹がもつ器の大きさ。

本質を見抜く目。


これを原作にドラマの続編が作られたのなら、

一体どれほどの視聴率を獲得するのやら、、、

そう考えずにいられない作品です。




池井戸潤「ロスジェネの逆襲」

ダイヤモンド社

2012年6月発行




The lost generation strikes back.jpg





posted by tetsu at 23:37| Comment(0) |
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